今回のテーマは
肩を入れる
クライミングにおける肩のポジションについて
気付いた事がありますので纏めたいと思います。
クライミングで肩を入れると言う表現や
ロックする等と言われてなかなか
抽象的で感覚的に理解している方々には
腑に落ちる言葉かと思います。
その肩を入れるとは⁈
具体的には肩甲胸郭関節を不動肢位にして
広背筋・大胸筋・僧帽筋上部を緊張させて
前鋸筋を更に締める感じだと思います。
大胸筋と広背筋は以前のBlogで触れましたから
今回は前鋸筋について考察します。
前鋸筋は肋骨の側面と肩甲骨の内側に付着して
大まかには3つのパーツに別れて
筋繊維の働き方で動きが変わり
他の筋肉と共同して
肩甲骨の外転と上部繊維は下方回旋を
下部繊維は上方回旋を行います。
前鋸筋は胸郭に付着して
肩甲骨を胸郭に引き寄せますので
もし前鋸筋に麻痺が起これば
翼状肩甲と言って
肩甲骨が胸郭から浮かび上がり
後ろから見ると背中に羽が生えた様に
肩甲骨が飛び出します。
立甲と言う身体操作がありますが
これは意図的に肩甲骨を浮かすので
翼状肩甲と似ていますが内容が
全く違う状態になります。
立甲では前鋸筋を使いますので
今回のテーマに共通しますが
肩甲骨の操作法としては同じの様ですが
立甲は過去のBlogを参照にして頂き
今回はもう少しシンプルに肩甲骨を安定させて
肩を使う方法をご提案させて頂きます。
その前鋸筋を鍛える方法は
仰向けに寝て背中を付けた状態から
腕を伸ばして肩甲骨を浮かせる方法と
腕立て伏せの要領で手を伸ばした状態から
お尻は出さずに背中を丸目て
肩甲骨の間を広げて行きます。
何方も肩甲骨が前鋸筋の働きで
胸郭に押し付けられて固定され
肩の安定した状態が作れます。
肩甲骨は自由に胸郭を滑走して動く事は
とても大切ですが肩甲骨を不動にする事で
クライミングではホールドを抑えます。
肩のポジションが決まると指の負担も減り
身体の振られる幅が小さくてすむので
身体のコントロールがやり易くなります。
私のイメージでは上腕と肘を体側に押し付けて
更に肘で肩甲骨に向かい斜め上に押し上げて
最後に僧帽筋上部で下に肩甲骨を抑える感じです。
力のベクトルとすれば上腕骨にそって
下から上に力が働き上腕骨を
広背筋と大胸筋が上腕骨を内転させて
前鋸筋が肩甲骨を胸郭に固定して
肩甲上腕関節を肩のインナーマッスルが
安定化させる流れになります。
クライミングで肩を入れる動作は
私の感覚では前鋸筋が収縮して胸郭に
固定される事で様々な筋肉に
出力される様に思い前鋸筋が
スイッチになるのでは⁈と理解しております。
如何ですか?
肩を入れる
詳しい肩の入れ方や肩の治療が必要な方々は
お気軽に治療院までお問い合わせ下さい。
『前鋸筋の筋力強化による肩関節の筋力の変化』
https://cir.nii.ac.jp/crid/1390001205564725376
治療院KAZU
中井一欽