chiryouin111’s diary

治療院KAZUです ^ ^ 健康に関わる事 理想的な身体動作を追求して行きます。

身体の使い方シリーズその2『抜骨』立甲 甲腕一致 Zero position クライマーさん 武術家 各種スポーツ選手に 効果的な 肩甲骨の使い方

今回は、『抜骨』を御紹介します。

簡単に言うと 肩甲骨の抜きですね。

立甲や 甲腕一致

医療の世界ではZero position等と言われています

 

Zero positionは肩甲棘の長軸と上腕骨の長軸が同じラインで通常 肩甲骨面上で約150°挙上した肢位

上腕骨側の結節間溝と肩甲骨側の関節上結節が最接近し

インナーマッスルとアウターマッスルの収縮力が求心位として作用する。

 

関節が強く一致した状態です。

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肩甲骨と上腕骨が一致した状態で

伸筋(腕を伸ばす筋肉)を優位に使うのが

『抜骨』です。

肩甲骨を、胸郭に対して色々な方向に滑走(動かす)させます。

 

水泳のトップ選手はほぼ抜骨の状態です。

陸上のボルト選手や棒高跳びの選手も肩甲骨が緩んでいて

オリンピックを見ていると解りました。

 

 抜骨は前鋸筋を使うので

イメージして頂く為に以下の説明を御理解して下さい。 

 

肩甲胸郭関節の前方牽引金

前鋸筋は肩甲胸郭関節における前方牽引の種動作筋である

この強力な筋はとくに胸鎖関節の回線垂直軸の周りで前方牽引にとって優れたてこを有している

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肩甲骨の前方牽引力は通常、肩甲上腕関節を越えて伝えられ、前方へのプッシュ動作やリーチ動作に使われる。

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前鋸筋が弱いと前方プッシュ動作が困難になる

肩甲骨に対して前方牽引を適切に付与する筋は他にない。

 

腕を前方に出す動作に対して、前鋸筋は有効に作用します(屈曲と外転)。

そして外腹斜筋が胸郭を固定する事でその作用効率が高まる。

 

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上図の右側が、翼状肩甲(前鋸筋麻痺)の説明ですが

後方 抜骨は実際に前鋸筋を緩めて広背筋を収縮させて肩甲骨か浮き上がるので似た状態になります。(イメージとしてとらえて下さい)

 

前鋸筋には上束部と下束部に分ける事が出来ます。

上束部は

肩甲骨の外転と下方回旋

下束部では

肩甲骨の外転と上方回旋

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武術では

抜刀での腕の使い方

弓矢を引く

ボクシングのアッパー     チョッピング(打ち下ろし)

空手の順突き 逆突き 引き手

(上腕二頭筋 僧帽筋 大小菱形筋を緊張させずに肩甲骨で引ける)

身体が密着した状態から肩甲骨の遊びで突きを出す(寸勁)

 相手に手を取られた時に極められにくい(関節技)

 

ライミングでは

手の位置を変えず、肩甲骨で引く

身体の位置が固定された時に(胸が壁や岩に近い状態)肩甲骨で引く

デッドモーションを肩甲骨でつくれる等

 肩甲骨が動くので、深く引き付けられます。

肩を痛めにくい

 

スポーツでは

胸郭から肩甲骨が分離して動く

 野球ではピッチャーが肩甲骨の抜きが出来ると

肩甲上腕関節周囲(肩まわりの筋肉)の筋を痛めにくい。

肩甲骨が胸郭(体幹)から稼働するので腕のしなりが良い

 

健康面では

肩関節周囲筋(肩のインナーマッスル)を痛めにくく

40肩、50肩になりにくい

腕を楽に動かせる等 

 

抜骨で肩甲骨を動かせば屈筋(腕では上腕二頭筋 僧帽筋 大小菱形筋)を

なるべく緊張させずに伸筋優位で動けます

(体術は伸筋を重視します)

 

肩甲骨を自由に動かせるには抜骨が効果的です。

その為には、前鋸筋を使います。

 脇を締めた状態で

肩甲骨を自由に動かせる様に意識して下さい。

僧帽筋 大小菱形筋をなるべく収縮させず

前回の投稿で出て来た『沈肩墜肘』

を意識して広背筋を上手く使って頂くと行いやすいです。

更なる、身体の意識を高めて下さい。 

 

(筋骨格系のキネシオロジー・肩関節拘縮の評価と運動療法から写真引用)

 

治療院KAZU

院長 中井一欽

 http://www.kazu-1414.com/