今回のテーマは
クライミングや空手の
握り方に関わるお話し
『カチ』『オープン』はどの様な筋肉が働いているか⁈
指の理想的な使用角度を御解説致します。
先ずは指の筋肉の説明です。
❶ここからは医療関係者向け
手の平にある筋肉を『手内筋』と言います。
以下の3つがあります。
①虫様筋(MPを曲げるPIP DIPを伸ばす)
②掌側骨間筋(中指を中心に指を閉じる)
③背側骨間筋(中指を中心に指を開く)
カチに的した筋肉達です。
*カチはMPを曲げるのでA1腱鞘内にて摩擦が生じ腱が太くなり腱鞘炎を起こしやすくなります。
MP関節は側副靭帯のCord like portionか60°〜70°の屈曲で緊張度が高く関節を安定さるので
この角度でカチるのが理想だと思います。
空手の突きに『中高一本拳』があります。
中指のPIP関節を使い
これも横から見るとMP関節60〜70°に近く
小指、環指のCMC関節が中手骨を屈曲、回転をさせて強い握りにします
ピンポイントで突くには理想だと思います。
次に
肘から指に繋がる『手外筋』が
①浅指屈筋
②深指屈筋
オープンに的した筋肉達です。
上の2つの筋はPIP DIPを曲げます*MPは曲げません。
MPを曲げなければA1腱鞘は摩擦を起こさないのでバネ指になりません。
オープンでは、MPを伸ばした状態でDIP PIPを曲げると自然に両関節は曲がり
Landsmeer靭帯が働き自然に指がホールドにかかります。
PIP関節はCord like portionは屈曲15°前後で緊張するので
オープンではPIP関節15°前後で保持ると理想です。
空手の当身で『手刀』があります。
こちらもMP関節を伸ばし
PIP関節15°くらい屈曲で
掌側骨間筋を緊張させ
小指球側を当てます。
❷こちらから一般向けです。
指の一番上はDIP 二番目はPIP 三番目はMP関節です。
【カチ】の場合はDIP PIP MPを曲げて
手内筋(手の平の筋肉)優位な握り方。
MP関節60°〜70°の角度が強いです。
こんな感じです。
【オープン】の場合はDIP PIPは曲げてMPは伸ばし
手外筋(前腕の筋肉)優位な握り方。
PIP関節15°の角度が強いです。
こんな感じです。
*『カチ』の方がグリップは強いですが、腱鞘炎になりやすいです。
☆『オープン』の方が、握った実感は少ないですが疲れにくいです。
両者一長一短ですが『オープン』の方が怪我が少ないと思います。
空手の『手刀』がオープンに、似ています。
私は握り込む習慣があったせいかカチの方が得意でした。
空手の握りの1つに『中高一本拳』があります。
カチの部分で触れたMP関節60〜70°が強いと
お伝えしました。
中指のPIP関節を当てにいきます。
とてもピンポイントで突くので効きます。
私は、この握りはあまり使いませんでしたが
手の中に空気を掴む様にして『空拳』で突きを出していました。
脱力して重い突きが打てます。
これもMP関節60〜70°に近く関節が強いのかもしれません。
空手の握りもそうですが
クライミングでも用途に合わせて
『カチ』と『オープン』上手く使い分けて指の負担を減らして
腱鞘炎やバネ指の方は、MP関節を伸ばして指を使って下さい。
皆様の怪我が少なく、武術の稽古や
クラミングライフをエンジョイ出来ます様に
お手伝い致します。
* 指や肘等の怪我の治療も行っておりますので
お悩みの方々はお越し下さい。
様々な症状に対応致します。
治療院KAZU
院長 中井一欽
http://www.kazu-1414.com/index.html