今回のテーマは
『腹をはり楔をしむる』
これはどう言った意味でしょうか?
読み直していまして
以前は神子さんの本を拝読しましたが
今回は大河内さんの本を読んでいます。
腹をはり楔をしむるは
五輪書で出て来る表現ですが
水の巻・第二節にありまして
下記に原文を載せます。
『腰の屈まざる様に腹をはり、楔をしむると云て、脇差の鞘に腹をもたせ、帯のくつろがざるやうに、くさびをしむると云ふ教へあり』
原文を少し私なりに解説致しますと
『しむる』とは、させると言う意味になりますからこの際は身体をかがめずに腹圧をかけて脇差(小さい刀)の鞘に腹をつけて帯を後ろ側に広げさせて腰椎を後弯させる事になると思います。
昔では刀や帯と言うアイテムは身体作りに欠かせない物でしたね。
私も空手の稽古で帯を締めている時の方が
腰の意識は高かった思いがあります。
他の文中でも武蔵は踵から爪先を上げて足を踏むと表現していますから下肢から骨盤後傾・腰椎後弯の姿勢をとっているのだと思います。
(踵に重心を落とすと骨盤後傾・腰椎後弯になりやすいです)
武術の姿勢でもある立身中正と言って背骨の生理的湾曲を真っ直ぐにする事を意味してカーブを伸ばします。
その時に腰椎後弯させた姿勢が立身中性に繋がり
今回の『腹をはり楔をしむる』は
お鞘にお腹を当てながら腹圧をかけて
腰椎を後ろ側に出す事で刀を抜きやすいのでは⁈
と考えます。
武蔵の自画像の立ち方を見ても身体は屈めていませんが肩を下げて身体を後ろ側に出す姿勢は正に『腹をはり楔をしむる』に結び付きそうですね。
腰を後ろ側に出す姿勢は腹筋も効き腹腔内圧が高まり体幹が安定し一般的には力が出しやすい姿勢と言われています。
それに腹圧をかければ更に安定しますね。
過去から戦いの経験から武蔵は行き着いたのでしょう。
如何でしたか⁈
『腹をはり楔をしむる』
身体を屈めずに腹圧をかけて腰椎を後弯させる事ですね。
腰痛予防にも効果的な姿勢にもなりますので
一般の方々にもオススメです。
過去の文献も参考になりますね。
如何でしたか⁈
『腹をはり楔をしむる』
詳しい私なりの解説や腰の治療や姿勢については
お気軽に治療院までご連絡下さい。
治療院KAZU
院長 中井一欽