今回はクライマーに多い
『手首の痛み』
その中でTFCCの名前が上がりますが
解剖学的な説明と
その予防方法を考えて行きたいと思います。
❶まずTFCCの存在する関節
尺骨手根関節
三角骨と月状骨と尺骨で形成されます。
近位手根骨と尺骨の間に三角繊維軟骨複合体(TFCC)があります。
通常は尺骨と橈骨の長さは同じですが
加齢や外傷等で尺骨が長くなり
TFCCの損傷や軟骨の欠損も起こります。
掌背側遠位橈尺靭帯 尺側側副靭帯 メニスクス類似体 関節円板 尺側手根伸筋腱腱滑走床
を総称してTFCCと呼ばれています。
橈骨と尺骨形状突起
月杖骨 三角骨とを繋ぎ
前腕の回内回外運動を安定させて
TFCCが正常だと手関節圧を40%軽減出来ます。
❷TFCCは手首のクッションの様な物で過剰に使ったり負荷がかかると痛みますし
特にクライミングを行なっていない方も、年齢と共に傷む方もいらっしゃいます。
それでは
その予防方法を考えて行きたいと思います。
テーピングもその一つですし
手首のストレッチもそうですね。
肩の関節の柔軟性も手首に影響します。
肩の外旋を意識すると手首の回外時の痛みも軽減され
肩の内旋を意識すると手首の回内も軽減されます。
手首を回す動き
回内 回外の動きがどちらに制限があるかで
予防方法も変わります。
回内制限がある場合(手首が内側に入り難い場合)
ピンチ ガストン等で傷む場合
尺側手根伸筋を鍛えます。
(小指側 前腕表の筋肉)
回外制限がある場合(手首が外側に入り難い場合)
アンダー スローパーで傷む場合
尺側手根屈筋を鍛えます。
(薬指 小指の握りを強くします)
TFCCと診断され痛みがひどい時は無理しないのが一番ですが
少し負荷がかけられる様になったら
上記の予防方法を行なったり
ぶら下がった際の手首の位置を見て
動きの制限や
弱い筋肉があれば
意識的に鍛えて下さい。
今後の再発を防ぐポジションが見つかると思いますよ。
皆さまのクライミングライフに少しでもお役に立てれば幸いです。
もし詳しく内容が知りたい方や
質問が御座いましたら
お気軽に治療院までお問い合わせ下さい。
(スポーツ医学 スポーツ障害理学療法ガイド写真引用)
治療院KAZU
院長 中井一欽
http://www.kazu-1414.com/index.html